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2021.3.31

大型免許取得に挑戦

「大型」が併記された免許証

全長12m、全幅2.5mの巨大な車体に10,000cc超のディーゼルエンジン
車好きなら誰しもが一度は憧れたことがあるのではないでしょうか?もちろん僕も例に漏れずその一人です。

しかし、運輸関係など大型自動車を扱う仕事でない限り、大型免許を取得するケースは非常に稀です。
今でこそ中型免許(2007年6月施行)・準中型免許(2017年3月施行)制度ができたものの、2007年以前に免許取得した僕ら世代は「中型(中型車は中型車(8t)に限る)」という条件付で「中型免許」を所持しています。

8t限定中型免許でも車両総重量8,000kg未満・最大積載量5,000kg未満・乗車定員10人以下までのいわゆる4トン車は運転できるため、日常生活において免許条件で困ることはまずありません。

車検切れの車両を移動するために3t積載車(ローダー)を運転
バスコン・フルコンのような大型キャンピングカーを運転
ハマーH1など大型アメ車を運転

8t限定中型免許を所持していれば、このような例でも問題なく運転できてしまいます。(こんなシチュエーションすらかなりレアですが…)

つまり、仕事上必要に迫られないようなら一般人が大型免許を取得するメリットはほとんどありません!
それでも教習20時間に加え安くない費用を支払って大型免許取得を目指したのは、大型自動車への憧れと“大型トラックを運転してみたかった”という単純な動機に他なりません。

今回は「ほぼ普通自動車しか運転したことのない一般人が大型免許取得にチャレンジする」という趣旨の記事です。

既にお仕事で4トンに乗っている方であれば、ある程度の車両感覚が備わっているのでそこまで難易度は高くないと思いますが、僕の場合は普段乗っている乗用車が全長4.7m・全幅1.7mなのに対し、大型教習車は全長12m・全幅2.5mと面積比=約3.8倍!

これだけ圧倒的な違いがあると、乗用車の延長というよりも全く別物です…笑
教習は正直苦労した場面も多々ありましたが、そんな部分も含めて大型免許取得までのストーリーを楽しんでいただけたら幸いです。

大型免許対応の教習所【都内】

教習内容に入る前に、東京都内で大型免許教習を扱っている教習所を紹介します。
と言っても実は大型免許に対応した教習所は希少で、都内では6校のみ。

2007年の中型免許創設により大型教習車両が従来よりも大型化(改定前:全長8.5m✕全幅2.2m→改定後:全長12m✕全幅2.5m)したことで、車両入替や教習コース拡大に物理的・経済的に対応できない教習所が大型免許教習から撤退してしまったことも要因です。

改定前後の大型免許教習車両のサイズ比較

下表では、牽引免許・大型特殊免許の対応有無を含めて各校のスペックをまとめました。

※テーブルは右にスクロールしてください。

車校名 所在地 大型教習料
(税込)
割引 安心制度 教育訓練
給付金
牽引 大型
特殊
大型
二種
足立自動車学校 足立区 356,390円
京成ドライビングスクール 葛飾区 319,000円 WEB仮申込で
▲1,000円
規定時限数オーバー再検定の追加費用なし
(50歳以下)
平和橋自動車教習所 葛飾区 336,050円
東急自動車学校 多摩市 320,550円
田無自動車教習所 西東京市 322,650円 WEB仮申込で
▲10,000円
コヤマドライビングスクール秋津 東村山市 341,100円 WEBクーポン
▲5,000円

※教習料金は「中型(8t限定)」所持・各段階一括予約の場合。仮免申請交付手数料を含む。
※卒業生割引・紹介割引等の条件付割引は除外
※認定自動車学校の他に一部届出自動車学校も存在するが一般的でないため除外しています。

大型免許教習ストーリー

まず教習所選びですが、僕は「京成ドライビングスクール(京成自動車学校)」を選択しました。
と言っても都内6校しか選択肢がないので「10回以上は通うため、なるべくアクセスの良い立地であること」そして「少しでも安いこと」の2点が決め手です。

個人的な都合ですが高校生まで葛飾区で過ごしたこともあり、教習所周辺道路を理解しているというのもポイントです。
路上教習では運転に集中できますから!
あと、コース内撮影禁止などの制約があったため、今回の記事は写真少なめですのでご了承ください。

京成ドライビングスクール

京成自動車学校HPのスクリーンショット
住所 〒125-0054 東京都葛飾区高砂5丁目54番10号
電話番号 03-6657-9180
ホームページ https://www.keisei-ds.co.jp/
教習種別 普通免許/普通二輪/準中型/中型/大型/普通二種/大型二種/大型特殊
駐車場 有(約20台)
都内では格安な教習料金

冒頭の6校比較表の通り、大型免許教習(中型8t所持)の教習料金はスタンダードプランで319,000円(税込)。
スタンダードプランは各段階(所内・路上)毎に一括して教習予約できるプランなので、僕のようにほぼ土日しか通えないような人は必須と言えます。
京成ドライビングスクールでは大型教習車が2台しかないこともあり、入校時に車校側からもこのプランを推奨されました。

またWEBで入校仮申込を行うと、少額ではありますが1,000円割引になるので忘れずに対応しておきましょう。
というわけで、仮申込割引を利用した教習料金は318,000円(税込)で都内他5校の中でも格安な設定となっています。

ちなみに、最安値は田無自動車教習所の312,650円(税込/WEB仮申込▲10,000円適応)ではありますが、今回はアクセスと次に説明する安心制度の兼ね合いで京成ドライビングスクールを選びました。

安心オプション付き

京成自動車学校の特徴は大型免許でも追加料金なしで「安心オプション」が付帯すること。
「50歳まで」の条件付きではあるものの、技量が追いつかず規定時限をオーバーしたり、検定不合格で再検定となった場合も追加料金は掛かりません。

他校では再検定料で10,000円前後の追加費用が発生したり、規定時限オーバーも1時間あたり7,000円前後の追加負担となります。
ただでさえ緊張する検定なのに、万単位のお金が掛かるとなるともうガクブル… 平常心なんて保てないですよね!?
仮に検定に落ちたとしても費用的な負担が無いとなれば、気持ち的にもかなり気が楽ではないでしょうか。
入校時点では「ふーん」程度に理解していた制度ですが、実際に教習が始まると非常に有難い存在でしたよ、笑

牽引免許は非対応

唯一、京成ドライビングスクールの弱点をあげるなら牽引免許非対応な点です。
都内他5校では牽引免許教習も対応しているので、大型→牽引免許(トレーラー)を目指すのであれば、よく検討したほうがよいでしょう。

ほとんどの教習所は卒業生割引と称して別種免許教習時の割引を行っていますから、セットで取るとなると最安校が変わってくる場合もあります。
セット取得なら事前に通える範囲の車校に問い合わせして、総額確認することをお奨めします。

入校手続き
京成ドライビングスクールの外観

前日にWEB仮申込を済ませ、京成ドライビングスクールの受付へ。
仮申込している旨と氏名を伝えると「あっ、大型ですね〜」とスムーズに話が通じ、本申込書を渡されます。

必要事項を記載すると、既存免許証の確認→視力検査と進みます。
大型免許の場合「両眼0.8以上、片眼0.5以上/深視力:2センチ以内」と普通車に比べてより厳しい基準となります。
特に“奥行き把握”を検査する深視力はなかなかテストされることのない能力なので、1回目は戸惑うかもしれません。
僕も最初は「え?今動いた?!」って感じでしたが、2-3回目からは要領を得て差異2cm以内に収めることができました。

ちなみに既存免許に関しては普通免許以上を所持していればAT限定免許でも教習を受けることができるようですが…
大型教習車は当然MT(マニュアル)なので、AT普通車しか乗ったことがない!という方だとかなりハードル高いかもしれません。

教習原簿の発行と配車券発行方法などレクチャを受けると、教習予約を取ります。
スタンダードプランではこの時点で、適正試験+1段階(8時間)+仮免許検定の予約が可能。主に土日祝の希望でしたが、スタッフの方がテキパキと処理してくれました。
予定どおり進めば1.5ヶ月で第一段階が終了するスケジュールとなりました。

所内教習(全8時限)


教習車両
京成ドライビングスクールの大型教習車_日産ディーゼル_クオン

京成ドライビングスクールの大型教習車は「日産ディーゼル_クオン(Quon)」。
排気量はなんと10,830cc!乗用車と比較すると桁違いな大きさですね…

教習車はリアドアが設けられ後部座席にも乗車できる仕様となっていますが、その他は街を走っている大型トラックと大きな違いはなさそうです。
冒頭で紹介したように2007年の免許制度改定で大型教習車はこのサイズとなり難易度が上がりましたが、ポジティブに考えればこの車体で運転できるようになれば、免許取得後も違和感なく大型車の運転ができるとも言えますね。

初日(1時限目)

いよいよ教習初日。
目の前で見る大型教習車はやはりデカい…
教習コース内で周りが普通教習車だらけだからそう感じる部分もありますが、圧倒的な大きさです。

まず助手席へ乗り込み、教官のお手本を見てイメージを掴みます。
所内コースを2-3周すると、

教官「こんな感じですが、いけそうですか?」
僕「あ、はい。やってみます…」

という感じで運転席へ。

パーキングブレーキを解除、ギアをセカンドに入れ恐る恐るクラッチを繋ぐと大きな車体がゆっくりと動き出します。
ハンドル・クラッチは思いのほか軽く、2速発進ということを除けば違和感なく発進できました。

ただ、周回コースへ入るとモロに車体の大きさを感じます。
「中央線を踏むか踏まないかくらいの感覚で走る」という教官のアドバイス通りになるべく中央寄りで走行します。
最初は逆サイドの距離感を考える余裕はなかったので“中央線ベタ寄せなら逆サイドをぶつけることはないだろう”と兎に角中央線から離れないよう走ってみました。

それと、カーブでは想像以上に内輪差が発生するため、サイドミラーを見ながら縁石に乗り上げないよう常に気をつけて走ります。
前輪が中央線の上をなぞるくらい膨らまないと後輪が縁石にHITします… 実際“ガタン”と後輪を縁石に乗り上げることが2-3回ありましたので、笑

この日はひたすら周回コースを走る練習でしたが、5-6周すると不思議と慣れてくるのかサイドミラーを見ながら後輪と縁石の距離感を確認しながらスムーズに曲れるようになりました。
そういえば最初に教官が「カーブではミラーを使って曲がる」と言っていましたが、ようやくその意味が理解できました。

普通車でも内輪差はありますが、ハンドル全開切るような曲がり角・車庫入れくらいしか気になりませんよね?!
話には聞いていましたが、この内輪差が最も普通車との違いを感じた部分かもしれません。

そうそう、ブレーキも苦戦した操作の一つです。
大型車にはエアブレーキという空気圧で動作する強力なブレーキが備わっています。
普通車に採用されている油圧式ブレーキのノリで踏み込むとガツン!と効き、車内の荷物と助手席の教官が吹っ飛んでいきます、笑

「そ~っとブレーキペダルに足を乗せて、車の自重で停まるように」という教えを参考になるべく優しく操作してみたのですが、やはりガクつきます。
僕の場合、人生初エアブレーキだったこともありスムーズに止まれるようになるのに結構な時間を要しました。(教官の皆さん、不快な運転で失礼しました!)

2〜8時限目

1段階目(所内)は2時間/日まで教習可能なので、できるだけ詰め込みスケジュールを組んでもらいました。
2時限目以降は周回コースに加えて、右左折・路端停車・S字・坂道発進・隘路…と実際の道路を想定した練習を行います。

右左折(特に左折)は対向車線まで突き出してから目一杯ハンドルを切っていかなければ曲がり切れません。
「サイドミラーを見ながら後輪を縁石に這わせるように曲がる」というアドバイスを参考に、ハンドルを切り込んだり戻したりと微調整を行いながらゆっくり曲がります。
同じ車でも4-5mの普通車とは全く感覚が違います。普通車の延長というよりは全く別物と考えて取り組んだ方が覚えが早いかもしれません。

S字・坂道発進・隘路・路端停車等のアトラクションの中では、S字が難しく感じました。
サイドミラーで後輪が内輪差で縁石に接触しないよう注意しながら、逆のミラーがポールに接触しないよう気をつけて、さらにアンダーミラーで前輪が縁石に乗らないよう確認…と同時に確認することが多くテンパってしまいました。

運転席より前に前輪がある普通車と違い、運転席下に前輪があるトラックはフロントバンパー下に縁石が来るくらい突っ込んでいかないと曲がり切れません。
結構突っ込めるんだな…という感覚がわかってくると同時にS字も攻略できるようになりました。この辺は普段から2tやバンタイプの車を運転している方ならもっと理解が早いと思います。

一方、坂道発進はエンジンのパワーがあるからか普通車よりもスムーズにこなせた気がします。
しっかりとサイドブレーキを掛けてから半クラを確認して発進すれば難しくありませんよ!

計8時間の1段階教習が終わる頃にはそれなりに操作に慣れ“みきわめ”も問題無しとの判定。
次は路上教習にステップアップするための「仮免許試験」です。

仮免許試験

検定中のプレート
「検定中」のプレートを掲げて仮免許試験に挑む!

当日は教室に集合し、試験コースや採点基準について説明があります。
乗車から降車までが採点範囲」「補助ブレーキを使われたら一発終了」「縁石に乗り上げたら元の場所までバックしてやり直す(そのまま通過してしまうと失格になる)」など特に重要となる採点ポイントを解説してくれます。
ちなみに試験コースは覚えなくても、都度助手席から指示があるので問題ありません。

仮免許試験は試験官+教習生2名以上で乗車して行われます。
試験が始まると、なんだか想像以上に緊張します。
教習では感覚でできていたことも見られていると思うと「これでいいんだっけ!?」と不安になり、運転もぎこちない感じになってしまいました。

そして鬼門のS字に侵入。
進入角度も良く、前半はスイスイとクリアしていったのだが…、最後の出口で油断してしまい後輪を縁石にHIT!
ここは乗り上げる前に気が付き、少しバックしてなんとか切り抜けました。ふぅ、危ない危ない…

が、しかしその先で…
コースのレイアウト上、急な右カーブの直後に踏切がありまして、このカーブでまたも縁石にHIT!
慌てて停止して修正しようとするも、踏切内だったため「踏切内停止」ということになってしまい大幅減点

その後も試験は続行されましたが、結果は「不合格」。
思い返すと我ながら酷い運転だったので、当然の結果ですね。

不合格→補習

検定不合格の場合、1時間の補習教習を受けてから再検定となるようです。
ここで救いだったのは京成ドライビングスクール独自の安心オプションが適応され、補習・再検定の追加費用が発生しなかったこと。
このような制度が無い教習所だと、1時間追加+検定で1.5〜2万円程度の追加費用が発生することになります。最も「京成にしておいてよかった」と感じた瞬間です、笑

気を取り直して、補習教習を受けます。
改めて自分の運転と向き合ってみると、右左折やS字では曲がることに気を取られすぎて後輪への注意が散漫であることを痛感しました。
試験官からも「ミラーを使えていない」と指摘されたのもなるほど非常に納得。

1時間の教習でしたが、検定前と比べると内輪差の感覚が養われて明らかに運転が変わったことを実感できました。
不合格・補習というとなんだか響きが悪いですが、落ちてよかったかもなとすら思いました。

あの日ラッキーが重なり合格できていたとしたら、内輪差の怖さやミラー目視の重要性を理解しないまま路上に出ることになっていました。
教習の目的は最短時間で卒業することではなく、確かな運転技術を身につけることですものね。

再試験

再試験の日、補習のおかげもあり前回よりは自信があるものの、流石に2回目の不合格は避けたいな…という変な焦りもあってやはり緊張します。

試験が始まり、魔のS字コーナーへ。
「前輪・後輪を縁石に当てない!」「ミラーとポールが当たらないように注意!」ちょっと考えすぎていた感もあり、やたらノロノロでしたし半クラやブレーキも雑でガクガクしてしまいました。
また、前回乗り上げた踏切手前の縁石も意識しすぎたのか大回りになりすぎて、曲がりきれず切り返しをする羽目に…

そんなこんなでなんとか致命的な減点は避けてゴールに辿り着き、結果は「合格」。
ただ、試験官からも「半クラが雑(ふかし過ぎ)で、終始ぎこちない」と指摘があったように、とても上手な運転と言えるような代物ではありませんでした。
第1段階クリアを喜びつつ、路上教習に向けて反省点を振り返ります。

路上教習(全12時限)

「仮免許練習中」のプレート
「仮免許練習中」のプレートを差し込み、いざ路上へ!
方向変換・縦列駐車(9時限目)

第2段階回初日、さぁ今日から路上だ!と意気込んでいましたが、9時限目の課題は「方向変換」と「縦列駐車」。
方向転換は90度バックをして車の向きを180度変えるというモノで、車庫入れの要領となります。

最初に教官のお手本があり「後輪タイヤがポールに差し掛かったあたりでハンドルを全開切って、ミラーにポールが見えたら〜」とコツをレクチャしてくれます。
が、しかしやってみると…入らない…

特に縦列駐車は第1段階の難関だったS字の比でなく難しく、何度も切り返してようやく枠内に収めることができました。
試験では1回までの切り返しは減点なしで、2回目以降から減点対象、4回以上が不合格ラインとのこと練習が必要です。
普通車でも縦列駐車は苦手な分野なので、これが全長12mとなるともうパニックでしたね、笑

時間内では方向変換・縦列駐車それぞれ5回ずつ程度の練習しかできずでしたが、路上教習が始まってからも早めに所内に戻ってきた日は2-3回練習する機会がありました。

路上教習初日(10時限目)

10時限目にしていよいよ路上デビューします。
車線が狭い!普通車では何度も通った道ですが、幅2.5mだと想像以上に窮屈に感じます。
特に右左折では歩道縁石やガードレールに接触しないよう、サイドミラーを注視しながらソロソロと進みます。
このあたりは所内での練習がモロに連動しているわけですね。

市街地を抜け、片側1車線の幹線道路(柴又街道)に出ると対向車線にも大型車や路線バスが来るため、すれ違う瞬間はドキドキです。
教官からは、通常時は中央線ギリギリを走り、大型車とすれ違うときだけ一瞬ハンドルを切りミラーをかわすような走り方をすると良いとのアドバイスがありました。

それにしても狭い… 対向車にばかり気を取られていると、街路樹の枝にバサッとミラーがHITしますw
ちなみに検定時は木の枝や葉っぱも「接触」と見なされ、検定中止になる要素だそうです。

片側1車線道路を抜けると、片側3車線の大通り(蔵前街道)に出ます。
こちらは車線幅に余裕があり走りやすい!制限速度も50km/hなのでアクセルを踏み込み速度を上げます。
空荷だからでしょうが結構グイグイ加速しますよ。さすが10,000cc!

苦手だったエアブレーキですが、40-50km速度が出た状態からの方がスムーズに制動できる気がします。
始めはややしっかり踏み込み、速度が落ちてきたら力を弱めて最後は自重で停止するような感じです。
何度か信号停止を繰り返しているうちに、自然と低速時の制動もスムーズにできるようになっていました!
エアブレーキは第1段階中も悩みの一つでしたが、ようやく克服できそうです。

11〜20時限目

11時限目以降も同じように路上教習が続きます。
最初のうちは「次の信号もうすぐ赤になるから減速」「歩行者いるから気をつけて」のように逐次助言がありましたが、徐々に自分で判断して運転する練習へと変わっていきます。

物理的な車両感覚以外で難しく感じたのは、信号のタイミングとリアオーバーハングの扱いです。

「車は急に止まれない!」と言いますが、大型車に関してはより顕著です。
強力なエアブレーキが装備されているので、空荷状態で思い切り蹴り込めばそれなりに停まるのでしょうが、積載状態なら制動力は過信できませんし、荷崩れを起こす危険性があります。

そのため、先の信号を見て「歩行者信号が点滅したから、停止できる準備をしよう」「右折信号出てるけど、この位置からじゃ間に合わないな」と一歩先を読んだ運転が求められます。
もちろん普通車でも先読み運転がベターですが、大型車では必須のスキルと言えます。
青信号でも前の渋滞を見落として交差点に侵入して立ち往生してしまえば、全長12mの車体で道路を塞ぐことになってしまいます。
常に自分の後ろに10m以上の荷台が存在することを意識しておかなければならないのです。

また、リアオーバーハングへの注意も怠ってはいけません。
特に幹線道路からの右左折で後ろから迫ってくる追い抜き車両が大型車の場合は要注意!
ハンドル全開で曲がった場合は1m以上もケツを振り出すため、緩やかに曲がっていくか、追い抜き車両の切れ目を見計らって右左折を完了させる必要があります。

これは経験してみてなるほどなと思ったことの一つです。
乗用車を運転していると歩行者もいないのになぜか右左折せずに待っているトラックやバスを見かけることがありますが、このリアオーバーハングの振り出しを気にしての行動だったのかもしれません。
身を持って経験したがゆえに、そのような場面をみかけたら無理に追い抜きせずに大型車が曲がり終えるの気長に待とうと思いました。

さて、第2段階も最終時限“みきわめ”となります。
この時限では路上はサクッと切り上げて、方向変換・縦列駐車に時間を割きます。

方向変換は切り返し無しで一発OK!でしたが、縦列駐車はやはり苦戦… ハンドルを切り込むタイミングが早すぎて頭が入り切らないという状態になってしまいます。
だいたいこのパターンで失敗するので、どうも僕の悪いクセのようです。一旦切り返して緩やかにハンドルを切りながら後退してギリギリ?枠内に収まりました。

縦列駐車はやや怪しかったですが、こうして無事に“みきわめ”もクリアとなりました。

卒業試験

さて、20時間(僕は補習があったから21時間か…)の教習が終了して残すは卒業試験。
仮免許試験のときと同様に教室へ集合して、試験の説明を受けます。

卒業試験は所内での方向変換or縦列駐車、並びに後方感覚(ポール50cm以内で停車)を行ってから路上試験に進むという流れのようです。
方向変換・縦列駐車はランダムで当たるようですが、今日は「縦列駐車」でした。(まだ方向変換の方が得意だったのに…)

試験官からは「縦列駐車・後方感覚ではポールに当てると失格となる。仮に失格となった場合でも路上試験は続行されるため、不合格を承知で路上に出ることになる」との解説がありました。
な、なんと非情な制度…ただでさえ緊張するのにさらなるプレッシャー。

というわけで卒業試験は縦列駐車からスタート。
僕以外に2名の受験生がいましたが、お二人共なかなかの腕前で一発で決めていました。
そして3番目の僕、これまでの反省を活かしハンドル切り始めが早くなりすぎないように… と念じていたのですが、それでもやはりちょっと早いw

ミラーとポールが接触しそうになったのでここは大人しく切り返してゆーっくり後退。
何度も停止しながらではありますが、枠内にねじ込み完了サイン!(他2名の3倍くらい時間掛かってました、すみません。)

続いて後方感覚。
後方ポール50cm以内に停止させるという課題ですが、正直12m先の感覚なんてわからない…
こんなもんか!?というカンで停止させて完了報告。

試験官がメジャーを持って測ると、結果は40cm!まぐれ感ありますが、なかなかの結果です。
ちなみに後方感覚は停止距離が50cmをオーバーしていてやり直しとなった場合1回目はノーペナ、2回目でも50cm以内とならなかった場合は減点となるようです。
いずれにしてもぶつけたら即時終了なので、接触するくらいなら多少遠くても減点で済んだほうがいい!という考えでやると良いかもですね。

無事に所内課題をクリアすると路上試験に移ります。
最も危惧していた縦列駐車が終了していることもあり、やや気が楽ではありましたが、路上ではイレギュラーなイベントが起こる可能性もありますから気を引き締めていきます。

幸いこの日は交通量も多くなく、スムーズに進行していきます。
路上は概ね上手くいった印象ですが、幹線道路への合流時に本線後方からくる車の前にやや割り込む形となってしまい、その点は後から指摘がありました。
乗用車ではイケる!というタイミングでも車体の長さと運動性能を鑑みて1台やり過ごすというのがベストな選択だったようです。

教習所へ戻ると合格発表です。
結果は… 見事「合格!

「合格」という響きは何歳になっても嬉しいものですね。
最後は校長先生より「卒業証明書」を手渡され、晴れて卒業となりました!

免許証発行

教習所を卒業しただけでは未だ大型免許取得とはなりません。
運転免許試験場へ出向き「免許証の併記」という手続きをしなければなりません。

早速、最寄りである江東運転免許試験場のHPで受付時間を確認すると「平日8:30〜16:00」とある。
校長先生へ「16時までに江東試験場に間に合えば、今日中に免許証発行(併記)できますか?」と聞くと卒業当日でも問題ないとのこと!
そうとなれば、今日中に免許発行まで完了させてしまおうとダッシュで江東運転免許試験場へ向かいました。

警視庁江東運転免許試験場の入口
卒業当日でも16時までに滑り込めば当日中の免許証発行が可能だ(併記の場合)。

試験場では「併記」と記載された受付カウンターへ行きます。
手数料(3,600円)納付、視力検査、写真撮影…と流れ作業で進み、全ての手続きが完了すると1時間ほどの待ち時間を経て新しい免許証が交付されます。

ちなみに、旧免許証の返却はありませんでした。
前回免許更新で訪れた際は穴あけされた旧免許証が返却されたので、返却できないかと確認したところ「現在は回収することとなっている」との回答でした…

効力こそ無いものの想い出としてとっておきたいタイプの僕としては少し残念でしたが、こればかりは決まり事なので仕方ありませんね。

「大型」が併記された免許証
「大型」の種別記載が追加された免許証。この2文字のために3ヶ月近く苦労してきました、笑

教育訓練給付金

大型免許に興味はあるけど、30万円を超える教習費用は重い…
恐らく多くの方がそこで悩むと思いますし、僕自身もなかなか踏ん切りつかなかった要因は費用でした。

実は「教育訓練給付金」という制度を活用すると、教習費用の20%(最大10万円)を受給することができます。
給付には一定の条件がありますが、1年以上雇用保険に加入していれば給付対象となる可能性が高いです。

簡易的なYES/NO診断を用意しましたので、給付対象となる場合は入校手続き前に管轄のハローワークに給付可否を確認し「教育訓練給付金支給要件回答書」を受け取りましょう。

教育訓練給付金の対象診断
「給付対象」の結果になった方は管轄のハローワークへ相談しましょう。

入校手続き時に回答書を持参するとともに、受講(教習)終了後1ヶ月以内に管轄ハローワークへ申請書類を提出する流れで給付金を受け取ります。
京成自動車学校のケースでは、僕が受講した「中型8t限定免許所持者」のコースで57,564円の受給額となります。
6万円近い給付が受けられるのはかなり大きいですよね!給付条件を満たしていれば是非活用していただきたい制度です。

参考厚生労働省 教育訓練給付制度
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html 参考京成ドライビングスクール 教育訓練給付金制度ページ
https://www.keisei-ds.co.jp/benefit/

安全運転意識の変化

いかがでしたでしょうか。
予想通り?苦労した課題も多々ありましたが、無事に憧れの大型免許を取得することができました!

大型自動車を操作するという経験が刺激的だったのはもちろんですが、一通りの教習を振り返ると安全運転への気づきも多かったように思えます。

信号の変わり目や前車の動きを予想した先読み運転の重要性
大型自動車の死角や一般車の見え方
右左折時の内輪差・リアオーバーハングなど大型車の特性

これらは自分で運転したからこそ理解できた部分であり、普通車に乗るときも安全運転に寄与できるポイントです。
第1種免許最上位である大型免許所持者として、今後とも安全運転&運転マナー向上に努めていきたいと思います。

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