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2020.9.4 2020.12.24

BMW&MINI(ほぼ)全車種試乗可!

店舗情報

営業時間 平日11:00〜19:00
休日10:00〜19:00
(火曜定休)
住所 〒135-0064
東京都江東区青海2丁目2-15
電話番号 03-3599-3840
公式サイト https://www.bmw.co.jp/ja/topics/brand-and-technology/experience/bmw_group_tokyobay.html

駐車場情報

収容台数 車30台程度/オートバイ10台程度
※試乗車やテストコースと共有しているため変動します。
駐車料金 施設利用中に限り無料
形状 屋外平置き
※出入口ゲート式(フラップ無)

今回紹介するのは「BMW Group TokyoBay」です。
ざっくり言えばBMW&MINIの旗艦ショールームなのですが、BMW&MINIの(ほぼ)全車種に気軽に試乗できる!というエンターテインメント施設でもあるのです。
ちなみにBMW Motorrad(オートバイ)も併設されており、こちらも(ほぼ)フルラインナップで試乗ができちゃいます。

昨今、欧州車やレクサスを中心としたプレミアムブランドが“新たな客層の開拓”を目的として敷居を下げたブランド発信店舗を展開していますが、このBMW Group TokyoBayは特に“クルマを運転すること”に力を入れています。
また、試乗など施設利用であれば駐車料金が掛からないというのも東カラ的には嬉しいポイントですね。

お台場BMW東京ベイの全景
広大な敷地を持つBMWグループの旗艦施設

試乗可能車種

公式サイトでは40車種とアナウンスがありますが、BMW&MINIのほぼすべてのラインナップを試乗できます!
人気のある1シリーズ、3シリーズあたりはエンジン・グレード別に複数台の選択肢があったり、2,000万円級の7シリーズやMモデルも選択可能とかなり大盤振る舞いです。

購入検討中の3シリーズに乗ってみたい
憧れのMモデルを運転してみたい
BMWを他社比較のベンチマークにしたい

と試乗を希望する理由はなんでもOK!笑

BMWを始めとした高級車ディーラーだとシ~ンとした空間で「本日の御用はなんでしょう?担当はおりますか?お飲み物は…」という感じなので「ちょっと気になって見に来ました!」というノリではなかなか踏み込みにくいでしょう。
僕自身、気になるクルマが発売されると買えもしないのに見に行くのですが、やはり何度行ってもディーラーの雰囲気は気まずいです。笑

一方、ここBMW東京ベイは直接的な販売を目的としておらず「気軽にBMWブランドのクルマに乗ってみてもらいたい」「BMWやMINIの良さを知ってもらいたい」というコンセプトで運営されているため、試乗後に「では、お見積りを〜」などと営業される心配はありません!
もちろん見積が欲しいとこちらから希望すれば、近くの販売店を紹介してくれるのでサポートと連携は万全です。

注意点としては、高額モデルの中には「30歳以上限定」と制限が付く車種もあります。
また車種ごとにMモード使用禁止など注意事項があるのでスタッフの指示を遵守しましょう。

ちなみに、何故BMWとMINIが一緒になってるの?と思われるかもしれませんが、元々MINIを生産していたイギリス_ローバー社が1994年にBMW傘下となり、その後2001年にBMWが「ミニ(Mini)」という自動車ブランドとして立ち上げた、という経緯があるためです。
ユニオンフラッグを纏い英国色全開なMINIですが、中身はドイツ車というわけですね。BMWブランドになってからは故障も減り扱い易いクルマになりましたね!

料金は3,000円(税込)

BMW東京ベイの試乗は有料です。
以前は無料だったのですが、2020年6月より3,000円/2時間の有料制となりました。

「え?お金掛かるようになっちゃったの?」と思うかもしれませんが、個人的には良い方向と考えています。
以前は予約を取ろうとしても、1週間前から8割以上埋まっていて目当ての車種が取れないなんてこともザラでした。

有料化後は休日や前日でもある程度空きがあり、時間帯さえ柔軟に調整すれば希望車種をおさえることができますし、試乗コース・時間も大幅に延長されているので3,000円(税込)の料金設定はむしろ良心的と捉えています。

ここに限った話ではないですが、無料にしてしまうと無断キャンセルや複数日予約が横行して本当に乗りたいユーザーに枠が回らない…という問題もあったのでしょう。
そして無料と有料では来店するユーザー層にも大きな違いがあります。
乱暴な運転をしたり、スタッフの指示を無視するような悪質なユーザーを排除し、多少お金を払ってでもBMWの良さを実感したい!という優良層にアプローチするという狙いがあるのではないでしょうか。

また1つだけ確実なのは、BMW側が試乗プログラムで利益を求めているわけではないということです。
40台規模の試乗車は総額で軽く“億”を超えますし、受付・同乗・先導車と少なくない人員を揃え、ガソリン代まで込みとなれば利益どころか試乗プログラム単体でみれば間違いなく大赤字でしょう…

最近は試乗車による危険運転が問題視されていることからも、万が一にも大きなトラブルが起きてしまうと試乗プログラム自体の存続が危うい…という懸念もあったのではないかも思います。
有料化はBMWとしても苦肉の策だったのではないかと理解しています。

購入検討中なら無料

基本的には3,000円/2時間の有料制ですが「既にBMW・MINI正規ディーラーにてBMWを購入検討中」であれば試乗料金は掛かりません。
試乗予約時か当日受付で購入検討である旨を伝え、ディーラー名や担当者名を伝えれば無料で試乗することができます。

ただ、あくまでも具体的な購入を検討している人向け…です。
「まずは乗ってみたい!」という気軽な気持ちで行くなら、潔く3,000円を払って気持ちよくドライブするのがお奨めです!

充実の試乗環境

BMW東京ベイでは3つの試乗コースを用意していて、それぞれ60分のコースとなります。
3,000円で2枠まで乗れるので、最初の1時間は一般道で2時間目は高速道路試乗なんて選択も可能です!

一般道試乗(スタッフ同乗なし)

オーソドックスな一般道試乗ですが、ポイントは“スタッフが同乗しない”ことです。
先導車にスタッフ2人(運転者と無線指示者)が乗り込み、そのクルマを追いかける形で試乗します。
先導車に付いていく形なので、自由にどこかに行けるというものではありませんが一人もしくは家族・恋人・友人とプライベートな空間でBMWを体験することができます。

高速道路試乗

首都高をグルっと1周するコースです。
こちらはスタッフが同乗するスタイルですが、一般道では体験できないBMWならではの“駆け抜ける喜び”を体験できます。
コースには難易度の高いC1も含まれるため、首都高に乗ったことがない…という方にはお奨めできませんが、ある程度運転経験のある方でしたら特別な体験となるでしょう。

なお、高速料金は自己負担となるのでETCカードを持参することをお奨めします。
試乗終了後はETCカードの抜き忘れに注意しましょう!

2台乗り比べ

試乗コースは短くなりますが、前半30分・後半30分で2台試乗できるコースです。
いろいろなクルマに乗ってみたい!という方には良いですが、30分枠となると説明や乗り換え時間があるため、実際に運転している時間は15分程度となってしまいます。
前述した通り、3,000円で2時間(2枠)まで試乗可能なので少なくとも2車種は乗れます。僕としては①or②でじっくりとドライブするのがお奨めです。

試乗の手順

早速、予約〜試乗の流れを紹介しましょう。

①試乗予約

まずは試乗予約です。
BMW GROUP Tokyo Bay試乗予約ページにアクセスし、試乗希望のブランド(BMWorMINI)を選択します。

続いて「日付から選択>」「車種から選択>」のどちらかを押し、予約状況確認画面に移ります。

BMW GROUP Tokyo Bay試乗予約ページ・予約状況確認画面

有料化後は土日でも比較的空きがありますが、希望車種に乗るためにもできるだけ早く予約することをお奨めします。
なお、WEB予約は「翌日〜30日後まで」可能です。当日予約は受け付けておらず、直接来店した場合は空きがあればその場で試乗可能というスタイルで運営されています。

BMW GROUP Tokyo Bay試乗予約ページ・入力画面

「◯」になっている試乗枠をクリックすると、予約画面へと進みます。
試乗コンテンツ(コース)/名前/生年月日/電話番号/メールアドレスを入力して、利用規約同意にを入れると、予約確認画面に進めます。
予約完了すると入力したアドレス宛に確認メールが届くので予約日時と車種を確認しておきましょう。

2枠予約しよう!

料金3,000円で2枠(2時間)まで試乗できるので、上記の予約フローを繰り返して2枠予約しておくことをお奨めします。
同一車種で一般道コース高速試乗と2時間堪能してもいいですし、3シリーズ5シリーズとクラス違いで乗り比べてみるのもいいですね!

オートバイ試乗は電話予約

オートバイの試乗はWEBシステムでは対応していないので、電話予約(03-3599-3660/受付10:00-19:00)になります。

試乗受付

当日は施設内の試乗カウンターで受付が必要です。
利用規約や自動車保険の説明、運転免許証の確認、コース説明があります。
これらの手続きに10分程掛かるので余裕を持って到着しておくようにしましょう!

予約時間に遅れてしまうと、試乗できない場合もあるので要注意です。
(出発が遅れてしまうと、枠時間内に戻ってこれなくなってしまうため)

料金支払

試乗料金3,000円は前払いで支払います。
支払いはカードまたは電子マネーのみ」となるので予めクレジットカードか代表的な電子マネーを用意しておきましょう。
有料試乗の場合、試乗記念品(僕が行った時はキーリングorノートでした)と新車購入時に使用できるクーポンがもらえます。

サンダル・ヒールはNG

スタッフの指示に従い道路交通法を守って走行していれば特別注意することはありませんが、サンダルとヒールの高い靴は安全上NGなようです。
当日はスニーカーなど運転に適した靴を選びましょう。

320dツーリング&M2を試乗

今回は320dツーリングとM2コンペティションに試乗してみました!
2枠(2時間)予約でたっぷりとBMWを満喫してきましたよ。

1台目 320dツーリング

BMW東京ベイで試乗した320dツーリング
ディーゼルエンジンとは思えない静寂性に驚いた

まずはBMWの代表格3シリーズ。
ステーションワゴンタイプの“ツーリング”にディーゼルエンジンを搭載した「320dツーリング」というグレードです。
コースは「①一般道試乗(同乗なし)」を選択しました。

車両説明

注意事項等の説明が終わるころにはおもてに320dツーリングが用意されていました。
乗車前に傷の確認からです、スタッフと共にグルっと1周して傷の有無をチェックします。

運転者が着席し、シート・ミラー調整の説明を受けます。
何か質問があれば…とのことでしたので、音楽再生について聞いたところBluetoothにてiPhoneを接続してくれました。ドライブと音楽はセットじゃなきゃ!

先導車(今回はBMW X5)を追走する形で試乗するのですが、ルート指示用に無線機を渡されます。
試乗車には「スタッフ同乗なし」ですが、先導車には運転者・無線指示者のスタッフ2名が乗り込みます。

事前に簡単なコース説明がありますが、右左折や車線変更は都度無線で指示してくれるので、覚えて無くても問題ありません!

出発・試乗

いよいよ試乗開始!
場内は「ハザード点灯&10km/h以下」でゆっくり走ります。
駐車場ゲートをでると、東京ゲートブリッジを目指して進みます。
先導車はこちらのペースを見ながらスピード調整してくれるので初心者でも安心ですし、ベテランドライバーであれば法定速度の範囲内でペースを併せてくれます。

エンジン始動走り出しで驚いたのは静かさです。
「ディーゼルエンジンはノイズや振動が気になる…」という話をよく聞きますが、少なくともこの320dに関しては“言われなければわからない”レベルです。
そりゃ自動車に精通した方から言わせれば多少のノイズはあるかもしれませんが、一般人な僕からしたら気にするほどのモノではないというのが正直な感想です。

ノイズに関しては交通量の少ない地下トンネル、ゲートブリッジに差し掛かっても同様で、不快に感じる部分はありません。
BGMを流して同乗者と会話をしていたこともありますが、実際に無音空間で運転する機会はほとんど無いですよね…
それよりも軽油燃料の経済性や低回転からの力強い加速に魅力を感じます!

東京ゲートブリッジを渡ると新木場を抜け、湾岸道路を通ってBMW東京ベイに戻ります。

到着

この日は比較的道路が空いていたこともあり、出発から30分程度で戻ってきました。
施設内では再び10km/hの制限速度を守りゆっくり走行します。
最後に無線の指示に従い停車し、傷の確認をして終了です!

2台目 M2コンペティション

BMW東京ベイで試乗したM2コンペティション
駆け抜ける喜びを具現化したスパルタンなモデル

2台目に選んだのはBMW Mモデルの中でも純粋なスポーツカーである「M2コンペティション」。
全長4.5mを切る小ぶりな車体に400PS超の3,000cc直6ターボエンジン、フロント9J・リア10J!の極太19インチホイールを履くスパルタンなモデルです。
これでもかと張り出したフェンダーにMICHELIN_PILOTSPORTタイヤがパツパツに収まり、ホイールの隙間からはフロント6ポット/リア4ポットの巨大なブレーキキャリパーがチラついています。
公道試乗でこのポテンシャルを出し切るのはまず不可能ですが、少しでも“BMWの本気”を感じたく、高速試乗コースを選びました。

首都高試乗コース

首都高試乗コースは「台場入口11号台場線C1に合流箱崎JCTで9号深川線辰巳JCTで湾岸線有明出口」という流れです。
高速試乗はスタッフ同乗となるので、運転席に僕、助手席に同乗者、後部座席にスタッフで乗車します。(この車格だけあって後部座席は狭いです、スタッフの方すみません…)

先程乗った320dのラグジュアリー感は無く、タイトなバケットシートに小ぶりな2連メーター、必要最低限のスイッチ類が並んでいる無駄がない質素な内装です。
質素とは褒め言葉で、余計な飾りや演出が無く”完全にスポーツに振り切っている感”がビシビシと伝わってきます。

一通りの説明を聞き、エンジンスタートボタンを押すとこれまたケタタマシイ音とほどよい振動が!な、なんだこれは…思わず頬が緩んでしまいます。
場内を10km/hで走っていても通常モデルとの明らかな違いを感じます。
公道に出て〜60km/hで走るとその感覚はよりはっきりとして「Mモデルをドライブしているのだ」と強く実感させてくれます。
細かな路面凹凸が伝わり、僅かなステアリング操作にも繊細に反応してくれるので、正に意のままに操っている感覚です。

台場ICのゲートをくぐり、じわりアクセルを開けていくと“パァーーーン”と快音を奏でながらレインボーブリッジを駆け上がっていき、吸い付くような車線変更で本線へ合流します。
一定速度で走ると、すぐに7速(試乗車は7速DCT)に入りエンジン音も静かになります。

C1に合流するあたりでマニュアルモードに切り替え、パドルシフトを2クリック。
パンッ、パンッと瞬時にシフトダウンし俊敏な加速でスムーズに合流します。

箱崎JCTを抜け、9号深川線に入ったあたりで現れる緩やかなS字コーナーは絶品ですね。
この日は首都高も空いていて15分程度で有明出口まで着いてしまいました。もう一周したいな…という気持ちを抑えBMW東京ベイへ戻ります。

運転者の僕は最高なドライブでしたが、助手席や後部座席は“快適”とはいいづらい乗り心地だったようです、笑
320d試乗の後だったということもありますが、結構ハードな乗り心地(M2コンペティションはサスペンション調整機能は無し!)だったので、ファミリーカーとするにはだいぶ勇気がいるかもしれませんね…

家族カーは3シリーズや5シリーズ、セカンドカーでM2コンペティションなんて方が購入されるのでしょうか!?
ともあれ、前から気になっていたM2コンペティションを運転できて大満足です!

試乗後は併設のカフェで一休み

BMW東京ベイのカフェスペース
試乗が終わったらカフェスペースでひと休憩

BMW東京ベイにはカフェスペースが併設されています。
特にこだわったメニューというわけではないですが、ドリンクは1杯350円〜400円と良心的です。
開放的で素敵な空間なので、コーヒー片手に試乗の感想を語り合う…なんてのも楽しいです。

カフェスペースで30分程休憩してBMW&MINIのショールームを見学。
なんだかんだ、半日楽しめてしまいますね!

最後に…

なんでBMWはこんな買いもしないユーザーに対して手厚い試乗プログラムを解放してくれているのでしょうか。
僕の憶測でしかありませんが、直接的な収益には繋がらなくともこの非日常的な体験が巡り巡ってBMWのブランド価値を押し上げ、利益をもたらすと考えているのではないでしょうか。

M2コンペティションで感じた衝撃は今後どんなスポーツカーに乗ったとしても僕のベンチマークになります。
数年後、何かスポーツカーを買おうと複数のクルマを検討したとしても今回の高揚感を上回ることはそうそうないでしょう。
となるとやっぱりBMWは一味違ったよな…少しムリをしても候補にいれてみようかと購入候補にあがるかもしれません。

「駆け抜ける喜び」のキャッチコピーからもわかるように、BMWは乗って楽しいクルマ造りにこだわっています。
乗ったことがない人からすければBMWに対する価値は、いいとこ外観的なデザインかバッジのブランド力くらいでしょう。
しかし、そんなものはBMWの魅力のほんの一部に過ぎないのです。
繊細なハンドリンクやスムーズな加速、高速域からの安定したブレーキング、内装の質感、そういった本質的な良さを知ってもらいたいと考えたのではないでしょうか。
ある意味、自社のクルマに対する自信の現れとも言えるかもしれません。

20代・30代のときの試乗体験が40代・50代で経済力を持ったときに「あのときの感動を味わいたい」とBMWの購入動機につながることだってあるかもしれません。
同等クラスの国産車と比べれば高額であることは間違いありませんが、その違い・良さを知っていれば予算をやり繰りして手を出してみようかなと考えるかもしれません。

そんな2手、3手先を読んだBMWのマーケット戦略なのではないでしょうか。

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